「寝るのはもったいない」は大間違い!?実は脳は夜勤中です。
「最近、寝ても疲れが取れない」「夜になると眠いはずなのに、布団に入ると目が冴える」。そんな経験はありませんか?
実は睡眠は、「疲れたから寝る」という単純なものではありません。脳の中では24時間、ホルモンや神経伝達物質がリレーをしながら、あなたを起こしたり眠らせたりしています。
朝、太陽の光を浴びると、脳の司令塔「視床下部」が活動開始を指示します。まず働くのがコルチゾール。悪者のイメージがありますが、本来は体温や血糖値を少し上げ、身体を活動モードへ切り替える大切なホルモンです。
続いて登場するのが「オレキシン」。睡眠研究では欠かせない存在で、「起きろ!動け!」と身体に指令を出します。さらに右腕のノルアドレナリンが働き、集中力や判断力を高め、眠気を吹き飛ばします。
一方、一日中仕事や勉強、運動をすると、脳には「アデノシン」という物質が少しずつ蓄積されます。これは「今日もよく頑張った」というサイン。活動量が多いほど眠気が強くなるため、適度な運動をした日は眠りやすくなるのです。
では、なぜコーヒーを飲むと眠気が消えるのでしょう?実はカフェインはアデノシンを消しているわけではありません。アデノシンが座る席を先にカフェインが占領し、脳が「まだ眠くない」と勘違いしているだけ。カフェインが切れると、一気に眠気が押し寄せることがあります。
夜になり暗くなると、視床下部は今度は「お疲れさま」と判断し、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を促します。メラトニンは深部体温を下げ、身体を眠りの準備へ導いてくれます。
そして睡眠中こそ、脳と身体は大忙し。記憶や感情を整理し、成長ホルモンを分泌して筋肉や細胞を修復し、免疫を整え、さらに脳にたまった老廃物まで掃除しています。まさに夜勤のメンテナンスチームです。睡眠不足では、この掃除が終わらないまま翌日を迎えてしまいます。
また、極端な食事制限にも注意が必要です。脳は「飢餓状態だ!」と判断し、コルチゾールやオレキシンなどを増やして食べ物を探そうとします。その結果、「疲れているのに眠れない」という状態になることもあります。
良い睡眠は夜だけで決まるものではありません。朝日を浴び、昼間に身体を動かし、必要な栄養をしっかり摂り、夜は照明を少し落とす。この積み重ねが質の良い眠りにつながります。
睡眠は一日の終わりではなく、明日の自分をつくる時間。
「寝るのはもったいない」のではなく、「寝ないほうがもったいない」のかもしれません。
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